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ひでかず歯科口腔外科クリニック

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味覚障害・味覚異常

Dysgeusia

味はどのように感じるの?

症状や病気のお話をする前に、私たちはどのように味を感じるのか、について少し触れます。
食べ物を口の中でもぐもぐ(咀嚼:そしゃく)すると、食べ物の味の物質が唾液に溶けます。
それが、舌にある味蕾(みらい)に届くことから始まります。
味蕾には、基本の味(甘味・塩味・酸味・苦味・うま味・脂肪味)のセンサーがあり、
味の物質がそれぞれのセンサーを刺激することで、神経を伝って脳に情報が届きます。
脳ではその情報と、他の情報(食べ物のにおい、舌触り、見た目、過去に味わった記憶)と合わせて、
どんな味か、美味しいかどうかを感じるようになっています。

こんな症状は味覚の異常かも?

味覚異常

同じ食事をみんな美味しそうに食べている中で、自分だけ「美味しくない」と感じる方、
また、何も食べていないのにいつも変な味がする方は、味覚障害・味覚異常かもしれません。
味覚障害・味覚異常には、このような症状があります。

量的味覚異常

味覚機能検査(*)をすると異常がみられる、味覚異常とされます。

  • 食べ物の味が、本来より薄く感じる(味覚減退・低下)
  • 何を食べても、味を感じない(味覚脱失)

質的味覚異常

味覚機能検査(*)をしても異常がみられないことがある、味覚異常とされます。

  • 本来の味と違った味がする(異味症)
  • 何を食べても、まずい、嫌な味に感じる(悪味症)
  • 口の中に食べ物がないのに、いつも変な味を感じる(自発性異常味覚)
  • 特定の味だけ感じにくい(解離性味覚障害)
  • 味を強く感じて不快になる(味覚過敏)

*味覚機能検査:ろ紙ディスク法および電気味覚検査(当院では実施しておりません)

これらの症状は、単独で生じたり、併存したり、診察を続けている間に変化したりすることがあるとされます。

歯や口の中の病気が原因かも?

味覚の異常を感じたら、患者のみなさんは耳鼻咽喉科・内科を受診することが多いかもしれません。
その原因には、亜鉛の不足などの栄養障害をはじめ、薬の副作用、心因性、嗅覚障害、味覚神経障害、全身の病気など様々あるとされますが、中には私たち歯科や歯科口腔外科が対応する、歯や顎、口腔粘膜、口腔の機能にも原因がある場合があります。

  • 口腔粘膜にきず、やけど、荒れ、カンジダなどの真菌(カビ)が生じて炎症が起こると、味の物質を味蕾に伝えられないかもしれません。
  • 舌の汚れ(舌苔)が多いと、味の物質を味蕾に伝えられないかもしれません。
  • 歯や入れ歯の不具合、歯ぐきの調子が悪い、アゴ(顎関節)の調子が悪いなどで、食べ物をうまくもぐもぐ(咀嚼)できないと、味の物質を味蕾に伝えられないかもしれません。
  • 味の物質を溶かすための唾液が少ないことで、味の物質を味蕾に伝えられないかもしれません。
  • お口の機能の衰え(オーラルフレイル・口腔機能低下症)による咀嚼能力の低下や唾液量の低下が影響しているかもしれません。

何も食べていないのに、いつも変な味がする?
~自発性異常味覚~

食事自体は美味しく食べられるけど、いつも口の中が苦い・酸っぱい・塩辛い・甘い、渋いなどの症状は、「自発性異常味覚(じはつせいいじょうみかく)」かもしれません。
口腔カンジダ症や内服薬の副作用で苦味を感じるなど、原因と考えられるものに対応して症状が改善することもありますが、原因がはっきりと分からないものも少なくないようです。
また、舌痛症やバーニングマウス症候群と一緒に自発性異常味覚が生じることがあります。味覚の異常というよりも、痛覚の弱い異常として生じているのではないか、とも考えられています。

年を取ることによる味覚の異常

年は取りたくないものですが、加齢による味覚への影響はあるとされます。
50歳代から、加齢による味覚低下の傾向はあるようです。急にではなく徐々に進行するため、自覚しにくい面があるようです。「味を感じなくなった」という訴えよりも、食欲の低下や、嗜好の変化として現れてくることも多いようです。ちなみに「甘味」についてはそれほど低下しないようです。塩分の摂り過ぎにはご注意ください。
また、「甘いとか塩辛いとか、基本的な味は分かるんだけど、コーヒーやカレーの味、素材の味がよく分からないんだ」という訴えの方を診察することがあります。一説では加齢に伴う「嗅覚」の機能の変化、つまり「風味障害」があるかもしれないとされます。嗅覚の異常は耳鼻咽喉科の先生方の診療範囲になります。

検査

味覚障害に対し実施されることが多い電気味覚検査、濾紙(ろし)ディスク法、血液検査は、申し訳ございませんが当院では実施しておりません。

当院の治療方針

当院では、味覚障害・味覚異常の原因が明らかな場合には、対応する西洋医学的治療の検討・依頼をさせていただきますが、西洋医学的に原因が明らかでない味覚障害・味覚異常の際には、漢方医学的にアプローチを検討いたします。
使用するエキス漢方製剤は、患者さんの証(しょう:漢方医学的な患者様の病態)を考慮して処方を検討するため、同じような症状であっても患者様ごとに処方を検討する漢方薬は異なることがあります。

参考文献

・口腔内科学 永末書店 2016
・歯科漢方医学 永末書店 2018
・任智美 総説 味覚障害の診断と治療 日耳鼻誌 122巻5号 P738-743 2019
・教育講演(6)味覚障害の診断と治療 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 125巻 4号 576-579 2022
・田中真琴 味覚障害の症状,分類,診断,治療 臨床栄養 Vol.147 No.5 2025.10
・任智美 高齢者における味覚障害-フレイルの視点を加えて 臨床栄養 Vol.147 No.5 2025.10